横浜光音座①上映作品のご案内
僕らのウィニングラン (12月3日(火)まで上映)
◆解説◆
人はいいんだが、博打好きで、優柔不断、どうしようもないぐうたら男。そして、そんな男を支え、叱咤激励する働き者のしっかり女房。何でこんな男と思われながらも、心の底では本気で惚れてる夫婦像。そうです、大阪が生んだ大作家、織田作之助の名作『夫婦善哉』です。その『夫婦善哉』に真正面から挑んだのが、この作品です。
人はいいんだが、競馬好きで、家の大事な金まで注ぎ込んでしまう駄目男と、そんな男に愛想を尽かしながらも彼のことを愛して、なぜか許して受け入れてしまう恋人の青年。そんな二人の恋模様を、関西ロケでしっとりと、情感たっぷりに描いています。
映画は、なかなか帰ってこない彼を思って、オナニーする青年のシーンから始まります。これがなかなかソソられます。絨毯の上に飛ぶ精液。それを空しく後始末する。孤独感が滲み出てくる、いいシーンです。剣崎監督のカメラワークが冴え渡ります。
『夫婦善哉』をモチーフにしている以上、結末は読めるんですが、それに至るエピソードは変化に飛んでいて、飽きさせず、むしろどうなってしまうんだろうとドキドキしてしまいます。そして最後はホロッときて…。
剣崎監督の絡みシーンは妙にヤラシイですね。それはカメラワークが素晴らしいからでしょう。毛穴まで見えそうにカメラがじっくり動き、そして身体の曲線の美しさを確実に写し取っていきます。チ○ポが感動でピクンピクンしてきます。ストリートともに、絡みもたっぷりと堪能して下さい。
その他、少しマニアックな見方としては、現在『ミナミの帝王』シリーズの脚本家として大活躍、監督としてもゲイポルノでは『バラードに抱かれて』などの秀作がある友松直之監督が、役者としてワンシーン友情出演。主人公の男の子を犯しまくっているのも見逃せません。
また、淀の京都競馬場でのロケも、競馬好きのお客様には馴染みがあって、興味深いかもしれません。必見です。
なお、残念ながらこの作品の上映中に映画館にこれない方、興味があるんだが遠方なのでという方、この作品はビデオでも見ることが出来ます。
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◆スタッフ・キャスト◆
[監督]剣崎譲 [脚本]駒来愼 [撮影]藪坂正史 [協力]フレッシュポテト(京都)・ファニーコック(大阪) [製作・配給]ENKプロモーション
[出演]松田まさと、三好涼、新庄高士、友松直之、仲山陽子、岡田雅之
バナナボーイ (11月19日(火)まで上映)
◆解説◆
利根川のジン太、通称バナナボーイ。彼は女装をしてストリップを演じる『自称芸術家』である。そんなジン太を先生と呼び兄貴と慕う付き人の“フルチン”を伴って、東西南北旅をして芸を見せて稼いで気ままに暮らすフーテンのジン太。
だが男癖の悪いジン太は行く先々でボーイや支配人の息子の尻を襲って興行主から不評を買い、いまやどこからも声がかからず金も尽き八方ふさがりなのであった。
そんなジン太に愛想を尽かしつつも心の底では心配する健気な妹、カエデ。妹の心配もどこ吹く風、今日も今日とて男の尻を追いかけまわすバナナボーイジン太。はたしてジン太は心を入れ替えてカタギになれるのか。
坂入正三の芸達者ぶりが輝く、涙あり笑いありギャグ満載の人情コメディ映画。
◆スタッフ・キャスト◆
[監督・脚本]新倉直人(小林悟) [原案]関多加志 [撮影]柳田友春 [照明]田村明 [音楽]大塚音楽事務所 [編集]金子編集室 [助監督]佐々木晋也 [製作]シネコスモジャパン [配給]大蔵映画株式会社 [提供]オーピー映画
[出演]坂入正三、西田新太郎、ジャンアント・トム、宮城栄喜、江戸春、山本竜二、西中明、西村長士、ラン子、炎上寺由羅、武藤樹一郎