小倉名画座②上映作品のご案内


黒と黒 OUT OF THIS WORLD (12月16日(火)まで上映)

◆解説◆
世紀末の1998年、こんなステキな映画が誕生していた。
チーマーバブル全盛の頃、東京の街の中は、ナイキのスニーカーや、リーバイスのユーズド物、G-ショックの海外仕様物などが、ティーンたちを夢中にさせていた。今思うと、まさに何だったんだろうという、奇妙な一瞬だった。
そんな時代の空気の中、上野の町でつるんでいるゲイの悪ぶったグループの中の一人の少年が、最初は遊び気分で、いや、鴨ってやろうという気分で、付き合い始めた男に、いつの間にか真剣に恋をしてしまい、その男との恋を通して、人間として成長して、イイ男になっていく様子を、ストレートに感動的に描いた傑作が本作。まさに傑作なのだ。
監督の新里猛作は、この作品がデビュー作。ゆえに、ティーンたちの感情を、何のてらいもなく、真正面から取り上げた。それがこの作品を成功に導いた第一の原因だろう。ティーンたちの行動、不安定な気持ち、そしてSEX…。
かつて誰もが経験した、この振り返れば何よりも貴重だった時間が鮮やかに蘇ってくる。甘酸っぱい後悔とともに…。
本当に愛する人とのSEXが、一番素晴らしく、一番快感が得られる。そんな、ごくごく当たり前のことをこの映画は教えてくれるのだ。
キャストも、ティーンたちを演じる少年たちがいい。そして、彼らに愛を教えることになる大人の男を演じる、タケが絶品だ。実は大人だって、不安一杯で生きているんだというのが、しみじみと伝わってくる。そして、音楽も凄くご機嫌なのだ。ぜひ、一人でも多くの人に見て欲しい。心からそう思う映画、それがこの『黒と黒』だ。
本作は、全成人映画作品が審査対象の「ピンク映画大賞」で、ゲイポルノ映画ながら、ベストテンの第3位を獲得した。
なお、残念ながらこの作品の上映中に映画館にこれない方、興味があるんだが遠方なのでという方、この作品はビデオでも見ることが出来ます。
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◆スタッフ・キャスト◆
[監督]新里猛作 [脚本]中野太 [撮影]中本憲政 [編集]酒井正次 [助監督]石川二郎 [製作・配給]ENKプロモーション
[出演]元輝ENOMOTO、タケ、直弼、YOUNG LION、哀田剛、小林節彦、森山龍二、神戸顕一

ラブドラッグ 日曜日の午後 (12月9日(火)まで上映)

◆解説◆
月曜に逢って、火曜に拒み、水曜にじゃれて、木曜に燃え、金曜に狂う。
土曜はもう一度燃え、日曜日はグッと最高!
アンニュイな日曜日の午後。自宅でシャワーを浴びる一彦。キッチンでは同居人の紗絵が食事の支度をしていた。シャワーを浴びた一彦と紗絵はリビングで食事をとりながら、いつも来ていたヒロのことを話していた。
「最近、ヒロったら日曜日の朝食をずっと欠席ね。もう3週間になるわ」
「ああ…」
ある夜、ヒロは執拗に一彦を拒んだ。セフレのはずなのに、3週間前のその日、求めたらいきなりバスルームへ逃げ込んだ。無理やりに押し入ると身体を触られないようにしながら、一彦のアレを咥えイカされてしまった。
そしてその夜以来、ヒロはこの家から姿を消してしまった。
幸せなゲイカップルに訪れる危険な病気と恐怖。それを乗り越えたい2人に贈るラブソディ。浮気の代償は…恐ろしいぞ!
◆スタッフ・キャスト◆
[監督]新倉直人 [脚本]小林悟 [撮影]柳田友貴 [照明]小野寺透 [助監督]青柳一夫 [編集]酒井正次 [現像]東映化学工業 [録音]銀座サウンド [製作]シネコスモジャパン [配給]大蔵映画株式会社 [提供]オーピー映画
[出演]白戸正一、朝田淳史、冴木直、板垣有美、吉田正浩、坂入正三、山本竜二、港雄一

