小倉名画座②上映作品のご案内
不思議の国のゲイたち (3月11日(火)まで上映)
◆解説◆
この映画の出発は、映画を作ってみたいという人3人の、初監督作品だけでオムニバス映画をやってみようということだった。俳優として『ぼくらの季節』や『グッバイボーイ』などで初期の頃からゲイ映画に深く関わり、近年は監督として『ミステイク』や『こんな、ふたり』などの秀作を作り続けている、池島ゆたかがプロデューサーを担当、早速人選から開始した。
とにかく今までにないような斬新な企画で、夢のようなゲイ映画を作りたいという池島は、次々とアイデアを出してきて、その中から具体化してきたのが、異分野でそれぞれ活躍する女性3人に監督してもらったらどうだろうかというものだった。ただ、面白半分でゲイの世界をいい加減に描かれても困るということで、結構この世界にも詳しくってというところから、女優として何本もゲイ映画に出演して関わってきた伊藤清美、サブカル界ではカリスマ的な人気を誇りゲイネタ本の出版も多い漫画家ソルボンヌK子、そしてゲイ映画のシナリオを何本も書いてきた売れっ子脚本家五代暁子、の3人が監督を担当することになった。脚本もそれぞれが書くということで。
新人監督、女性監督、短編3本のオムニバス、というまさに前代未聞の映画製作はこうしてスタートした。そして映画は、まさにこのコーボレイトが上手くミックスされた、バラエティーに富んだ傑作に仕上がった。
3本の内容は、美少年モノ、デブ専モノ、老け専モノという、オムニバスでしか成立しないストーリーが絡み合い、その上に短編映画ならではの挑戦が随所に見られ、まさに「不思議な」世界が形成されている。絶妙のバランス、企画の勝利、というものだろう。まさに数歩でもずれていたらこの映画の面白さは崩れていたかもしれない。ここらはプロデューサーの池島の手腕だろう。
貴方はどの作品に感情移入できるか、ぜひこの映画で試してほしい。ひょっとすると、意外な貴方の性癖の一面が発見出来るかもしれない。
なお、残念ながらこの作品の上映中に映画館にこれない方、興味があるんだが遠方なのでという方、この作品はビデオでも見ることが出来ます。
■【CINEPO.com】にてセルビデオ(VHS)絶賛発売中!
◆スタッフ・キャスト◆
[プロデューサー]池島ゆたか [監督・脚本]伊藤清美、ソルボンヌK子、五代暁子 [助監督]佐藤吏 [撮影・照明]下元哲 [録音]シネ・キャビン [編集]酒井正次 [製作]セメントマッチ [配給]ENKプロモーション
[出演]樹かず、木下教仁、青木こずえ、中田新太郎、中野貴雄、川井正貴、快楽亭ブラック、ミスターブッタマン、野口四郎、野上正義、荒木太郎、竹久千鳥
空に咲く愛の地図 (3月4日(火)まで上映)
◆解説◆
太陽の下、君はその太陽より眩しかった。
時が過ぎ、少しずつ変化する日々の中で、君がいるだけで幸せだった事を気付かされる…。
戻りたい、あの頃に――君の笑顔は今も空に浮かぶ。
男は久しぶりに見る海岸沿いの町並みに懐かしさを感じ、海岸に向かうと元恋人が待っていた。今はそれなりのモデルになった彼も当時はまだまだで、恋人だった官僚のおかげで火がついたのだが…その恋人も左遷で身を落とし見る影もなかった。同情の気持ちでセックスしてみたが、もう燃えることもなかった。
モデルとはいえ売れっ子ではなく金にも困っていた彼は、従兄弟の所に無心にいくが断られ途方に暮れた。
数日後、彼は仕事も家庭も捨てて自分の所へやってきた元恋人とともに旅に出たが…。
前作『優しい愛につつまれて』が好評だった荒木太郎監督による新作ゲイ映画。
林扶美子の「浮雲」を大胆に脚色した、沖縄ロケの超話題作。那波隆史、玄波孝章、名越幸太郎(シャンプー)と、ゲイ映画初出演のイケメン役者たちのビンビンの演技にも大注目だ!
◆スタッフ・キャスト◆
[監督]荒木太郎 [脚本]西村晋也、荒木太郎 [原案]林芙美子『浮雲』より [撮影・照明]飯岡聖英 [編集]酒井正次 [助監督]金沢勇大、鎌田亮 [音楽]宮川透 [スチール]本田あきら [製作]多呂プロ [提供]オーピー映画
[出演]那波隆史、玄波孝章、名越幸太郎、小林節彦、今泉浩一、太田始、鈴木翔、西藤尚、津田篤