小倉名画座②上映作品のご案内


《特別上映》 老(オールド)ナルキソス (12月7日(木)まで上映)

◆解説◆
ナルシストなゲイの老絵本作家と、美しいウリセンボーイ。2人の出会いと旅から浮かび上がる、過去と未来の家族物語!
ゲイでナルシストの老絵本作家・山崎は、自らの衰えゆく容姿に耐えられず、作家としてもスランプに陥っていた。ある日ウリセンボーイのレオと出会い、その若さと美しさに打ちのめされる。しかし、山崎の代表作を心の糧にして育った、レオという自分以外の存在に、生涯で初めて恋心を抱く。レオもまた山崎に見知らぬ父親の面影を重ね合わせ、すれ違いを抱えたまま、2人の旅が始まった…。
パートナーシップ制度は「ある」が同性婚は「ない」中で、家族とは? 「ゲイ」という呼び名もまだ一般的ではない時代から日陰者として社会の方隅で生きてきたナルシストの老絵本作家。差別や偏見との闘いの時代を経てすでに性的マイノリティが可視化されたLGBTQ+世代のウリセンボーイ。世代も考え方も違う2人の個人的な関係の中から立ち現れる、同性愛者たちの過去と未来の「家族」にまつわる葛藤の物語。
老ナルキソスのオフィシャルサイト https://oldnarcissus.com/
※12/2(土)は18時より・3日(日)は20時より東海林毅監督による舞台挨拶を開催されます。
◆スタッフ・キャスト◆
[監督・脚本・編集]東海林毅 [PD]須田敬介、伊藤正美、有馬顕、東海林毅 [撮影]神田創、一坪悠介、渡辺一平 [照明]丸山和志 [録音]佐々井宏太 [音楽]渡邊崇 [挿入歌(作詞)]ジャック・ブレル [配給]オンリー・ハーツ
[出演]田村泰二郎、水石亜飛夢、寺山武志、日出郎、モロ師岡、津田寛治、田中理来、千葉雅子、村井國夫

(12/1・4) 初熱 LOVE POTION (12月12日(火)まで上映)

◆解説◆
人の数だけ愛の形は存在する!
小劇団の演出家、その役者、元アイドルタレントたちが巻き起こす恋の鞘当て話し。劇団の最後の公演の練習風景をバックに、芝居は男同士のいやらし~い世界へと変化していく。最後の公演の幕が開くとそこには、褌一丁の男たちの姿が…。
主役にはフレッシュな二人が、ゲイ映画初出演。元アイドルに扮するには、笑顔がとっても素敵な、片岡命。演出家役には、ガッチリ体系の深来勝。監督は、自主映画の製作や音楽など、マルチな才能を持つ、杉浦昭嘉がゲイポルノ映画に初挑戦した話題作です。
◆スタッフ・キャスト◆
[監督・脚本・音楽]杉浦昭嘉 [撮影・照明]芦澤明子 [助監督]小川隆史 [スチール]梶原英輔 [製作]杉の子プロダクション [提供]オーピー映画
[出演]片岡命、深来勝、石川雄也、柳東史、川村ジュン、大澤真一郎、銀治、杉浦康博、国沢サイコ

(12/5) 天使の楽園 (12月5日(火)まで上映)

◆解説◆
鈴木章浩。この人が日本のインディペンデント・ゲイ映画に果たした功績は計り知れない。大木裕之監督の数多くの作品でプロデューサーを勤め、作品を生み出し、またそれを海外へ紹介し続けた。大木作品が世界で評価されているのは、彼がいたからだ。
また、逆に海外の優秀なゲイ映画を積極的に日本に紹介もした。『真夜中のダンサー』『ラテンボーイズ・ゴー・トゥー・ヘル』『スキンフリック』など彼がいなきゃぼくらが見ることがなかったであろう作品も数多い。
最近では、ヨハン・ポーリックの「ボーイズラブ・シリーズ」も全て彼が仕掛け人だ。そんな実績の中で、ついにと言おうか、満を持してといおうか、鈴木章浩が初監督作品として創ったのがこの『天使の楽園』だ。
映画は全篇、プライベート感覚のざらついた色調で撮られ、このままでいいんだろうかと悩みながら生きている、主人公のゲイの青年の揺れる心の中を覗いているような気がしてくる。親しい人の死、ゲイとしての恋、進むべき道、自分探し、青年の心と肉体の旅は、東京から高知へと導かれていく…。
この作品でも鈴木監督は積極的に海外へと進出し、ロッテルダム国際映画祭、ベルリン国際映画祭など、10ヶ国以上の一般映画祭やレズビアン&ゲイ映画祭で上映され、高い評価を得たそうだ。
見ていて本当に不思議な気分になってくる映画だ。自分がゲイでいることの安心感…、フトそんなことを考えてしまう。それこそがスズキワールドへの正しいはまり方なんだろう。この気分をぜひ、あなたも感じに来て欲しい。
◆スタッフ・キャスト◆
[監督]鈴木章浩 [脚本]ジュンキチ、タカシ、鈴木章浩 [撮影]ジュンキチ [音楽]KUJUN、大木裕之、藤島晃一、角谷美知夫 [録音]鈴木昭彦、吉松亮子 [編集]フィルムクラフト [スチール]石田章、浜口真吾 [製作]PISS FACTORY [提供]ENKプロモーション
[出演]今泉浩一、末広あきら、黒岩アキラ、葉月螢、大木裕之、藤島晃一、モア、小倉東、ジャスミン、ツバキ、鈴木佳子、アキラ、荒威勝彦

(12/6・7) セミドキュメント オ・ト・コの穴場 (12月19日(火)まで上映)

◆解説◆
とにかく珍しい作品である。
何が珍しいかというと、この作品、ドキュメンタリータッチで作られている。
ポルノ俳優で有名な久保新二が、関西のゲイスポットに潜入して、行く先々で、グチョグチョのSEXパーティーに突入してしまうという内容なのだ。そのゲイスポットというのは、ゲイバーであったり、ゲイサウナであったり、ハッテンバだったりするのだが、そこへ次から次へとカメラは入っていく。ただ、そこに写る人たちのプライバシーの問題があるから、撮影する前に事前に許可は取っている。そこがドキュメンタリー“タッチ”という言葉になるのだが、写っている場所は実際のゲイバーであったり、ハッテンバなのだ。
そしてもっと珍しいのは、この作品が製作された年が1985年ということ。つまり、この作品で紹介されているそんなゲイスポットは、今から約30年前のものということだ。ドキュメンタリーという作品の弱点ではあるが、考えようによっては、これはもう歴史的資料でもあるのだ。28年前の関西のゲイシーンはどんなものだったんだろう?これって、かなり興味がわきませんか。
スクリーンに映し出される28年前のゲイたち。そこには、かつての貴男がいるかもしれないし、若き日の親父の影が見えるかもしれない。そして、今も昔も変わらず、男が大好きなゲイたちの姿が…。
しかしながら、ひょっとして一番珍しいのは、この映画が本当に久し振りに上映されるということかもしれない。
◆スタッフ・キャスト◆
[構成・監督]山崎和夫 [撮影]柳田友春 [照明]秋山一夫 [助監督]佐々木晋也 [録音]東音スタジオ [現像]東映化工 [原画]林月光(雑誌「さぶ」提供) [製作]大泉製作事務所 [配給]ENKプロモーション
[出演]久保新二、現役ホモ・ゲイ達大挙出演!

