横川有楽座上映作品のご案内
ほんとうの空色 (4月3日(木)まで上映)
◆解説◆
美しいドラマである。
鬼才・柴原光監督、若干23歳のデビュー作。色褪せることのない、傑作である。おそらく今後もずっと…。
売り出し中の新進画家が、彼の恋人であるリンの家で同居生活を始めることになった。近々開かれる個展に向けて、制作に専念するためだ。リンの家には年老いたリンの母親がいて、色々と彼の面倒を見てくれる。その中で彼は絵を描き、リンと愛し合い、と充実した生活を送っていた。
そんなある日、彼のパトロンの画商から(その画商とは、金銭的援助を受けるために肉体関係があった)、個展が成功したらニューヨークへ行かないかと言われる。今の心と身体が充実した生活を続けるか、画家としてニューヨークへ留学して上を目指すべきか…。彼も、そして恋人のリンも、重要な決断を迫られる…。
とにかく、画家を演じる石井基正が美しい。素晴らしく端正なマスク。素晴らしく均整のとれた身体。少し翳のあるような静かな演技。どれもほんとうに美しい。またストーリーも哀しくはあるが、人が生きるということを声高に叫ばないで、静かに流れながら心に染み入ってくる。これも美しい。
監督の演出、カメラワーク、そして音楽。これらも美しい。
これらの美しさが絡み合って、奇跡のような映画が誕生したといっても過言ではないかもしれない。
が、あまり美しい、美しいと書いていると、エロ映画としては二流じゃないのかと思われるかもしれないが、石井基正のSEXシーンは何度見ても著しく興奮する。やはりイイ男が悶える姿というのは、誰が何を言おうと極上のエロスなのだ。
まさに必見。貴男に送る、珠玉の1本です。
なお、残念ながらこの作品の上映中に映画館にこれない方、興味があるんだが遠方なのでという方、この作品はビデオでも見ることが出来ます。
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◆スタッフ・キャスト◆
[監督]柴原光 [脚本]柴原光、五代響子 [撮影]下元哲 [照明]伊和手健 [企画]ブレイク・イン [製作・配給]ENKプロモーション
[出演]石井基正、池島ゆたか、吉岡一郎、日比野達郎、芹沢莉緒、逢坂武、清水大敬、藤ひろ子
空に咲く愛の地図 (4月3日(木)まで上映)
◆解説◆
太陽の下、君はその太陽より眩しかった。
時が過ぎ、少しずつ変化する日々の中で、君がいるだけで幸せだった事を気付かされる…。
戻りたい、あの頃に――君の笑顔は今も空に浮かぶ。
男は久しぶりに見る海岸沿いの町並みに懐かしさを感じ、海岸に向かうと元恋人が待っていた。今はそれなりのモデルになった彼も当時はまだまだで、恋人だった官僚のおかげで火がついたのだが…その恋人も左遷で身を落とし見る影もなかった。同情の気持ちでセックスしてみたが、もう燃えることもなかった。
モデルとはいえ売れっ子ではなく金にも困っていた彼は、従兄弟の所に無心にいくが断られ途方に暮れた。
数日後、彼は仕事も家庭も捨てて自分の所へやってきた元恋人とともに旅に出たが…。
前作『優しい愛につつまれて』が好評だった荒木太郎監督による新作ゲイ映画。
林扶美子の「浮雲」を大胆に脚色した、沖縄ロケの超話題作。那波隆史、玄波孝章、名越幸太郎(シャンプー)と、ゲイ映画初出演のイケメン役者たちのビンビンの演技にも大注目だ!
◆スタッフ・キャスト◆
[監督]荒木太郎 [脚本]西村晋也、荒木太郎 [原案]林芙美子『浮雲』より [撮影・照明]飯岡聖英 [編集]酒井正次 [助監督]金沢勇大、鎌田亮 [音楽]宮川透 [スチール]本田あきら [製作]多呂プロ [提供]オーピー映画
[出演]那波隆史、玄波孝章、名越幸太郎、小林節彦、今泉浩一、太田始、鈴木翔、西藤尚、津田篤